・・・・・という、まあ、ね。
どうしてバカと人間が同じ世界で暮らせないのかって、
今10我慢して未来に100の実りがあるなら、
今の10を犠牲にして今の100の快楽を得るか、それとも未来の100の実りを得るか・・・
そもそも我慢をせずに今得られる快楽が、未来の実りと等価になることは、およそ絶対にありえないからな。
努力や忍耐を前提とする限り、今の100と未来の100、なんて状況はおよそ絶対に存在しない。
少なくとも、若いうちはな。
もう20年以内に確実に死ぬであろう老人なら、未来よりも今を大事にするべきかもしれない。
だがその感覚は生活圏においての話であって、政治や社会、国家という規模で適用すべき優先順位ではない。
同様に、今後60年以上生きるであろう若者なら、今よりも未来を大事にするべきかもしれない。
少なくとも今10を積み上げれば、何もせずにただ生き続けた未来よりも10高い場所から、
さらなる実りに手を伸ばすことができるのだから。
学習ないし努力には常に優先順位があるし、
未来のために我慢すべき状況を見極め、きちんと自制する能力が要求される。
科学理論にしろ法律にしろ職業倫理にしろ、自制心は現代社会における必需品だ。
自分は我慢したくないしルールも守りたくないし、将来のことなんか考えずに今のことだけ考えていたい。
でも他人には我慢してルールを守ったうえで、安全や秩序や利便性を実現させて自分に無償で提供しろ、ってか?
わかりやすく日本人が全部で1億人だと仮定したら、
100万人のエリートがきっちりルールを守っても、
9900万人の凡人と愚民がルールを守らなければ、秩序なんか守れるはずがないだろ?
世界はね、バカがどれだけ賢くなれるかにかかってるんだよ。
バカがルールを守ってくれないと、社会なんか維持できない。
約束の時間も守れなくなるし、時刻表通りに電車やバスが到着することもなくなってしまう。
今、勉強から逃げ続けている、自制心を磨こうとしていないそこのキミが、
今すぐに考えを改めて、少しでも我慢を覚え、今と将来、どちらが大事なのかをマジになって考えたうえで、
怖いとか、不安だとかっていう気持ちに負けないように、怖さを振り切れるスピードで成長できるようになればいい。
自分ですら守ろうとしない美徳を、誰が守ろうとしてくれると思う?
守ってほしい美徳があるなら、まず自分がその美徳を守ろうや。
自制心がある人たちが、堕落せずにルールを守るから、夜でも停電しない。スマホの電波は確実に届く。
勉強から逃げるなよ。
お前がどれだけ必死に勉強から逃げても、お前が抱えている不安は消えないぞ?
そしていずれ、もっと勉強しておけばよかったと後悔する頃には、
お前を叱ってくれる親や教師は、誰もいなくなっているんだ。
怖いだろ? 嫌だろ? やりたくないだろ? 辛いだろ? 苦しいだろ?
みんな勉強したくない。難しい、わからない、繰り返したくない、遊びたい。
でも誰かが勉強してルールを守ろうとするから、楽しく遊ぶために必要なものが維持・実現・生産・提供される。
みんながやりたくないと思うことができる人には、相応の報酬が与えられる。
ただ遊ぶだけの人間には、何の名誉も報酬もない。
努力しても報われるとは限らないが、努力しなくても報われるのは天才だけだ。
お前はバカか? それとも天才か?
天才ではないなら、バカってことだ。
バカであるなら、努力しなければならないだろ?
僕は天才だから、努力なんかしたことはない。
お前の100倍どころでない苦労を、努力と感じたことが一度もないというだけの話ではあるがな。
勉強から逃げる権利と自由は、誰にでもある。
勉強から逃げた責任も、誰にでもある。
権利も、自由も、責任も、お前だけのものだ。
逃げるか? それとも挑むか?
勉強は、お前から逃げることはない。絶対にだ。