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1157、ダンスという趣味・界隈の抱える大きな欠点

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ダンスといっても色々ある。それは知ってる。

なのでここでは素人でも気軽にやれる系の、

いわゆる堅苦しくないものの話に限定するが・・・

 

まあ、そう言われてしまえば気づく人も多かろうが、

ダンスというものの最大の欠点は、

定められた規格が存在しないせいで、誰が、あるいは何が優れているのかが判断できない点に尽きるのだ。

 

 

 

たとえばボクシングや空手は団体こそ乱立しているが、

ルールや技術が異なるわけじゃないから比較はできるし、

何が優れているのかという指標もわかりやすい。

 

しかしダンスはそうじゃない。

どいつもこいつも好き勝手にチャンプを決定しては、

よくわからない奇抜さや話題性をブチあげようと必死こいている。

 

だから、素人から見れば「すごいのはわかるけど、それだけ」「大差がない」という感想しか抱けない。

 

社交ダンスやバレエ、あるいはフィギュアスケートのようなものなら、

まだ作法や形式が決まっているから、

素人でも個々の技能と形式さえ把握すれば鑑賞できるし、評価も判断もできる。

 

しかし、無限の組み合わせがあるといえば聞こえはいいが、

どいつもこいつもダボっとした格好で、アタマが悪そうな態度や言葉遣いで人様を挑発していれば、

所詮は体を売って生きてる層の高級オプションにすぎない、という「黒い現実」が見えてしまうわけだ。

 

 

 

これは格闘技もそうなんだけど、

ルールの違いなんて、素人からすれば心底どうでもいいんだよね。

肘の有無や首相撲の有無なんて、やったことない人にはどうでもいい。

 

だから急所・目潰し・噛み付き禁止の寝技ナシ立ち関節ナシ、くらいで統一すればいいものを、

それじゃヤダからってんで団体を乱立させてチャンプを名乗り、

挙句舐めプしにきたメイウェザーにボコられた那須川天心ってのがいたわけだ。

 

那須川天心自体は決して弱くはないのだが、サウスポーのくせにメイウェザー相手にあのザマだ。

格闘技に限らず、ひとつの技術体系をきちんと磨いて基礎を作ったほうが、

類似技術の習得も総じて早まるものである。

 

格闘技の場合、源流とされるものは空手、柔道・柔術、ボクシング、レスリング、ムエタイであり、

これらの世界で実力を示した人は、だいたい総合格闘技をやっても強い。

総合格闘技の技術ベースが、それらの源流とその対策に根ざしているからだ。

 

逆に、総合格闘技と源流の中間地点にあるはずのキックボクシングは細分化されすぎたせいでピンキリで、

劣化パクリにすぎないテコンドーや極真空手は総合格闘技に参戦するとからっきしダメダメであるように、

先人の積み重ねというものは伊達じゃない、ということをきっちり教えてくれるものだ。

 

 

 

ダンスも全く同じだ。

 

新体操もフィギュアスケートもバレエの技法を取り入れているように、

明確な技術体系と体の使い方・鍛え方が、数多くの先人の実践と反復により確立されている技術体系は、

きちんと習得すれば応用がきく。

 

しかしブレイクダンスと呼ばれる、いわゆる奇抜さと黒人っぽいノリを重視した界隈は、

どいつもこいつもお山の大将になりたがっているだけで、

名前すら満足についていない個々の技術体系は、体操や曲芸から持ってきたものの二番煎じまみれだったりする。

 

もちろんブレイクダンスはカポエイラその他「現実的な」土台を持っているのも事実なのだが、

ブレイクダンスの王者と、五輪には出られるがメダルには届かない程度の体操選手とが競えば、

まあ間違いなく後者のほうが派手なパフォーマンスをしてくれるであろうのは疑いようもないわけで。

 

 

 

かといって僕は、ダンスという趣味・界隈をdisろうってんじゃない。

 

むしろもっと気軽に楽しめるようになればいいとさえ思っている。

 

じゃあなんでこんなことを言うのかって?

 

 

 

初心者とか、ヘタクソとか、運動そのものが嫌いな人とか、

「体を動かす」という行為全ての前においては、

そういった層がいるのは否定のしようがないだろ?

 

だいたいのスポーツには、初心者へのアドバイスってのがちゃんと整備されてる。

初学者がどうするべきなのかというガイドラインが、

数々の失敗や成功から、ある程度固定化されている。

 

でも、ダンスってそれが非常に少ないんだよ。

少なくとも傍から見ていると、足りているようには到底思えない。

 

結局のところ、ダンスに限らず体を動かすことってのは、

手足の長さや生まれ持った筋力が前提となる技能だから、

人それぞれに得手不得手があるのは仕方ない。

 

だから「基礎」の整備が難しいってのはわかる。

格闘は人類に共通する「骨格」を前提にしているから、人体の構造に逆らうわけではない。

だがダンスは骨格こそ前提になっているが、腕が多少短いだけで絶対にできないパフォーマンスだって存在する。

 

難しいのはわかる・・・んだけどさ。

ブレイクダンスなんかマトモに整備され始めてまだ四半世紀(25年)すら経ってない技能体系だし、

短くとも200年は歴史を持っている(クラシック)バレエと一緒にするなってのはわかる。

 

わかるんだけど・・・ねえ?

 

 

 

総合格闘技もダンスもそうなんだけど、

どうしていちいちワルぶってんだろうかね?

 

発祥からしてそういうものだってのは知ってるけど、

自ら品性を貶めるような言動や格好をして、誰がそれを好きになってくれると思うんだろうね?

 

勝手に体系化すると周囲がキレるっていうなら、独自路線を作ればいいじゃない。

清く正しく礼儀正しくやるほうがママさん受けがいいから、

子供に教えたいですって人は間違いなく増えるはずだぜ?

 

そのためにも、担い手の知性・マナーの向上や体系化って欠かせないと思うんだけど、

いつまでたってもワルぶって、口を開けばdisるほうがカッコいいと思ってる奴が多すぎる。

 

 

 

なんというか、好きな人だけやってる系の趣味のほうが、

濃度や密度を高めやすいってのは否定しねーんだわ。

オタク趣味や格闘・武術、あるいは科学研究なんかまさしくそういうもんだしな。

 

でも、ダンスってそういうもんなんだろうか?

それでいいんだろうか?

もっと素晴らしいものになれんじゃないだろうか?

 

チアリーディングでもいいし、(フレンチ)カンカンでもポールダンスでもいい。

何のために技術体系を整備するべきなのか?

何のために意識を統一して、品質を高めていくべきなのか?

 

かの有名な『ムーラン・ルージュ』ですらまだ130年程度の歴史しか持っていないのだから、

やろうと思えば今からだってやれるはずなんだ。

 

・・・・・・好き勝手に楽しめばいいってのも事実なんだけど、

好き勝手に楽しんでる人にケチつけて回るバカが大勢いるじゃん?

それが嫌なんだよ。楽しんでる人も悲しくなるし、楽しみたい人も悲しくなる。

 

 

 

何事も「基本」を整備しないから、間口が狭いままなんだよね・・・

 

 

 

全く関係ない・・・ってわけでもないけど、

昨今はマナー講師がとんでもない大嘘マナーを垂れ流すのが問題になってるけど、

基本を整備しないと、ああいうことになるんだよね。

 

そのせいで迷惑するのは僕ら大人じゃなくて、

これからの時代を生きる子供たち、若者たちなんだよね。

 

誰だって、それこそ僕だってそんな面倒なことはやりたくないって思うんだけど、

自分が苦労して、少しでも子孫が楽になればいいなって思うからこそ、

昔の人は森を切り拓いて、川に堤防を作って、巨大な岩を掘り起こしては砕いて処理してきたんだと思うのよね。

 

そういう気持ちが少しでもあるなら、

少しずつでいいから、

基本を整備して、少しでも効率的に初心者を卒業できるようにしていけたらなあ、と。

 

 

 

 

ダンスに限った話じゃないって?

 

まあ、ダンスに関してあれこれ相談を受けたついでだ。気にするな。


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