知ってる人には今更なことだが、
もはや肉や魚や大豆を食べるくらいならプロテインを飲むほうが、
栄養価も高いし、圧倒的に安いし、ダイエットにも健康にもいい。
そもそも日本人の大半が誤解していることだが、
プロテインとは英語で「たんぱく質」のことであり、
要するに「純粋な油」や「純粋な塩」などと同じ「純粋なたんぱく質」の意味でしかない。
つまり、プロテインは筋力増強剤ではないし、飲むとムキムキになる薬でもない。
ただの、高純度なたんぱく質の粉末にすぎない。
感覚的にいうなら、きな粉みたいなもんである。
で。
プロテインがどれくらい安いのかっていうと、
たんぱく質を50g摂取するために必要な肉や魚や大豆は、およそ250g程度になる。
肉や魚や大豆のたんぱく質含有量は20%程度しかないからだ。
しかしプロテインなら60gで済む。50gじゃない理由は、不純物ではないが、水分その他が含まれるから。
そしてプロテイン60gには、ほぼたんぱく質がもつカロリーだけがあるが、
肉や魚や大豆には、脂質や炭水化物がもつカロリーも上乗せされる。
たんぱく質50gの目安としてよく用いられる「鶏むね肉1枚250g」は150~200円くらいするが、
Amazon価格の大豆プロテインだと3kgで5000円弱、60gあたり100円弱という計算になる。
そして鶏むね肉には鶏皮も含まれるので、カロリーにすると500kcalにも達する。
しかしプロテインなら60gでも200kcal程度しかない。
味がまずい? そのうち慣れるし、ハチミツやココアを入れてもいいし、果物ジュースに混ぜてもいい。
むしろ味つきプロテインこそ、飽きたら地獄になるからな。慣れればプレーンのほうがいいと思えるようになる。
とはいえ・・・
プロテイン唯一最大の欠点は、あくまでも栄養を摂取するためのものなので、
料理に応用するのが非常に難しい、ということだ。
大豆プロテインは味噌と同じ大豆だからってんで味噌汁に入れて飲んでいる人もいるけど、
たくさん入れて飲むようなもんじゃないからな。
料理として、オカズになれる肉や魚や大豆と、ただ栄養さえあればいいというプロテインとでは、
最初から用途が違う、ということだ。
しかしながらやはり、
疲れを取れやすくするとか、トシを取るごとに衰える体力を少しでも維持するとか、
運動したあとの疲労回復を早めるとか、肌の具合をよくするとか、たんぱく質は多めにとっても困らないものだ。
日本人は伝統的に運動とたんぱく質が足りていないので、
もっと摂取したほうがいいと、昭和の頃からずっと言われ続けているくらいだからな。
目安としては運動強度や疲れに応じて、
体重(kg)×0.8~2.5[単位:g]くらいのプロテインを飲んでいい。
運動しない老人や女性は0.8、普通の人は1.0、運動部なら1.7、超ハードな一日を過ごしたら2.5、くらいの目安で。
一般的な日本人女性55kgが普通に暮らしていて、体力的な疲れを感じたのなら、
55gくらいはプロテインを飲んでいい、ということだ。
・・・節約に際して一番困る「栄養バランスの維持」のうち、
特に出費が嵩むのは間違いなくたんぱく質か食物繊維だろうが、
費用対効果という点では、プロテインは非常に優秀だ。
まあでも、子供の発育とか食物繊維とかって発想なら納豆がいいし、
お腹を膨らませるだけなら豆腐がいいしで、
決して万能ではありえない。
理屈でそれがわかっていても、肉を食べたくなるのだよ、貧乏だとな。