いや、別にたいしたことじゃあないよ?
たとえば「未来のことなんか誰にもわからない!」っていうなら、
じゃあなんで頑張ろうと思う気持ちが萎えたり、
疲れること(特に運動)はやりたくないって思うんだろうかね?
頑張ったり運動したりすることで疲れると、
疲れがとれないまま明日を迎えることになる。
その未来が経験的にわかっているからこそ、未来のことを考えて不安になって、やる気がなくなるんじゃないか?
・・・という具合に、
「メシ食ったらウンコが出る」のと同じレベルで、
実は「未来」ってのは、割と予測がつくし、それは思っている以上に簡単で、子供にだってできるんだよね。
そんなものは未来じゃない? いいや違う。
時間軸上に原因(メシを食う)と結果(ウンコが出る)があるんだから、
因果関係さえ把握していれば、知っている因果に関する未来は、かなりの高確率で当たるはずなんだわ。
あるいは20世紀のうちに、
「炭鉱」が花形から一気に転落して衰退しまくったように、
特に科学技術の進歩に伴い、世相の変化に伴い、仕事や生き様ですら激変することは既に示されている。
そして原因である科学技術の進歩や環境汚染への配慮などにより、
結果である炭鉱業の衰退が示された。
つまり未来を知るための方法は、学ぶこと。
広く遍く、どんな原因からどんな結果に至るのかを知り、想像し、観察し、分析し、修正し続けること。
中学受験や高校受験のときに「社会のことに興味を持て」と言われる理由がソレ。
・・・なんだ、結局未来を完璧に予知できているわけじゃないのかよ、とお考えか?
それはあなたが不勉強なだけだ。
「今現在間違いなく動いているもの」のひとつが米中貿易戦争だろうが、
この動きの根底にあるものは「大国の覇権争い」でも「戦争」でもない。
そもそも誰も終わったとは信じていなかった「東西冷戦」の延長戦でしかありえないこの流れとて、
その本質は「東西冷戦」ではない。
あれもこれもと手広くやっておくほうが、全容は把握されにくい。
全容が把握できないからと、自力では「推測」のできないバカを門前払いにできるからだ。
そしてバカには興味の持ちようがないものは、世の中に出回らない情報群になる。
ゆえに、世の中に出回らない情報群ほど、誰かの手で操作・改竄しても、それに気付かれるリスクが低くなる。
だから全容を把握させないために、あの手この手で、少しずつ削り取ろうとするのさ。
警戒心とか、違和感とか、全ての生物が持つ根源的な弱さを隠すための機能を。
全ての生物は、あらゆる意味で未知に弱い。
だからこそ未知のままでは警戒される。
ゆえに未知のままではいられないし、いさせるわけにはいかない。
しかし逆に、よく知られてしまうと、自分たちの野望や本性がバレる。
だから詳しいことは知らせない。上っ面だけは周知徹底する。
アイドルだの芸能人だの広告だのってのは、まさしくそういったものだろう?
「お買い得」なんていうけど、買って得する=売って損するだから、
物理的にありえないんだよね、お買い得だなんてことは。
仮に赤字覚悟の大奉仕をやっても、「他の店に流れる客を渡さない」という消極的な利益が得られる。
自分のマイナスが10でも、他人のマイナスが20、50、100と大きくなるほど、
生き残れるのは自分であるわけだ。
必定、「プラスにならないことに意味はない」というのは、個人レベルの発想でしかない。
上っ面しか見えていない、思ったもの、見たものだけで判断しようとする人には、
それ以上の未来や可能性なんか絶対に見えない。
国家や組織という「巨大で複雑なもの」は、それぞれに欲するものが違うだろ?
たとえば日本なら資源と平地、
中国なら独裁するための軍事力と絶大な権力と財力、
アメリカなら自分に対して従順かつ自分よりも先をゆくことのない盟友。
日本はアメリカのオモチャだと言い張る人は、
しかし日本が米軍基地の存在を無視してでも日米同盟を切ってしまえば、
南北アメリカ大陸は、太平洋と大西洋によって孤立する。
しょせんアメリカとて何でも自力でやれているわけじゃない(何でも自力でやれる国は文字通りゼロ)から、
アメリカこそ、日本が同盟国でなければ経済的にも困るわけだ。
そしてこのまま日本がアメリカに従うだけの立場だとアピールすればするほど、
日本の軍事的独立は遅れ、アメリカの軍事費の負担は大きくなり続けていくだけ。
かといって日本に軍事力を持たせると、いつ核武装して日米同盟を解消するのかもわからなければ、
第七艦隊が日本に寄港できなくなるだけで、アメリカの軍事的バランスは大きく崩れる。
ゆえに、日本をオモチャにすればするほど困るのはアメリカなんだよ。
「原爆で民間人を大量虐殺したアメリカとの同盟は適切ではない」というド正論は、
いつどこで誰が喋ろうが、国際社会と平和という建前がある限り否定のしようもないからな。
だから、日本がアメリカのオモチャだという認識でいる人は、あまりにも勉強が足りない。
そう遠くないうちに、日本は「欧米」「白人」「アングロサクソン」側にカウントされるだろうよ。
そうでなければ、奴らには何もできないのだからな。
それくらいの基礎知識があれば、太平洋がある限りアメリカは日米同盟を切れないとわかるし、
今ここで中国をシメておかないと、中国から反米世論をモロに煽られれば、
日中の距離が近いぶんだけ、日米関係は対米感情で不利になることは誰の目にも明白だろ?
未来が読めるってのは、
因果関係を予測できるってこと。
だから、いつ誰がどこでセックスして妊娠するのかしないのか、ということは読めなくても、
セックスどころじゃない、収入がなくてデートはおろかメシも満足に食えない、忙しくて疲れててデートすらできない、
そんな時代が続けば、少子化が止まるわけがないって、誰にでも予想できるだろ?
大事なのは、「それ」が何の「原因」になるのか、ってことだよ。
無価値なできごとを原因にしてしまえる能力の高い人を秀才と呼び、
価値のあるできごとでさえ原因にすることができない人を凡人と呼び。
原因「になる」のと原因「にする」のとでは、全く意味が違うだろ?
誰が原因にしたのか、何のために原因にしたのか、そこがキモになる。
逆になぜ原因になったのかは、あまり重要ではない。
しかし原因「になりうる」ことを知るのは、原因を作らせないためにも、作り出すためにも有益だろ?
因果関係の奥深さと未来を予測するためのヒントを知りたい人は、
「豊川信用金庫事件」でも調べてみるといい。
僕は教え子に「心理学は趣味でやれ、絶対に専攻なんかするな、バカになるから」と教えてきたが、
専攻するほどの価値がないとは言っていない。
ただ、それを生身の人間がリアルタイムで十全に活用できる範囲はあまりにも狭いから、というだけのこと。
豊川信金事件はまさしく人間心理の産物だが、
しかし専門的な心理学的知識や理論がなくても、十分に理解ができるレベルだろ?
この世は、学者にしかわからない複雑な専門理論だけで動いてるわけじゃない。
むしろこの世の大半は、何も知らないバカな凡人が動かしている。
だからこそ、バカな凡人がどうやって動くのかを知る。
それが未来を知り、動かし、変えていくために一番大事なこととなる。
それゆえに、自分が誰からどう影響を受けて、どう変えられようとしているのかは、
常に自覚し続けなければならない。
シンプルだろ?
自分と、自分以外とを知り、原因と、結果を、明らかにする。
だいたいの人は自分以外を知らなさ過ぎるけど、
まずは自分から知ってみるといいんじゃないかな。
どんなときにサボろうとするのか、本当は何がやりたいのか、何をやっているせいでストレスに感じるのか。
それらの「原因」がもたらすであろう「結果」を想像して、
それでもいいやと思えるなら何もしなくていいし、そんなのは嫌だと思うなら、どうすればいいのかを考え、実行する。
「自分の可能性」と「他人」を一致させることができるようになればなるほど、
人間関係だってシンプルになるからな。
自分と、自分以外。そうすれば迷うこともなくなる。
何のために生まれて 何をして生きるのか 答えられないなんて そんなのは嫌だ