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857、学生と主婦のための「地方創生のウソとホント」

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まず、この文章は、およそ以下のレベルに向けて書かれるものである。

 

1、中学受験生の上位層

2、平均的な高校生および大学生

3、自分の無学を恥じており、学習意欲のある社会人ないし大人

 

自分があれこれ教えつつ見聞きしてきた経験上、これらの知的水準はほぼ同じだと考えるからだ。

いいかえるなら、平均的な大人の知性は、賢い子供の探究心に劣る。

それゆえにこの文章は、今ここで知っておいて、今後10年20年50年と末永く活用してほしいもの・・・を目指す。

 

 

全文に共通する注意書きは4つある。

 

1、あなたが信じたくなかろうと、事実は事実であり、現実は現実である。

2、善意よりも悪意を信じるほうが、「冷静」で「客観的」な様子がわかる。

3、そもそも社会「問題」なのだから、汚い現実を都合よく解釈してはいけない。

4、この文章を書いている僕は、地方が活性化することを望んでいる。

 

特に4つ目を忘れないでいてもらいたい。

愛があるからこそ、問題点から目を背けることができないだけだ。

 

 

そして言うまでもないが、非常に長くなるものと予想される。

そのため、時間があるとき、心身が楽なときなどに読んでほしい。

毎度おなじみだが、スマホよりパソコンのほうがいいですよっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

では本題だ。

 

 

まずそもそも、「地方創生」って何なのか?

ここがよくわかってない人が多いだろうから、問題点を明確にしておこう。

 

一応公式サイト↓があるのだが、もちろん、こんなものを読んでも「役に立たない」。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/

ここに書いてあることは綺麗事と建前であり、現実的な問題点ではないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

・・・受験とは関係のない知識だがぜひ覚えておいてほしい注意点として、

特に「林修」「池上彰」「橋下徹」の3人は、現代のペテン師ともいうべき「ウソを垂れ流す存在」なので、

彼らの喋ってることは、まるごと信じたらバカになる。詳細は長すぎるため割愛するが。

 

同様に大嘘を垂れ流す存在として、

「有吉弘行」「マツコ・デラックス」「武井壮」「坂上忍」「松本人志」などがおり、

ようは、テレビのご意見番やコメンテーターなどは、ブン殴りたくなるくらいウソと憶測ばかりを喋る。

 

逆に言えば、それらの人名や顔を見た瞬間、「あっこれはウソかな?」と疑ってかかるくらいでいい

学問の世界や現実生活というものに、有名人の喋ったことであるかどうかは、一切関係がない。

むしろ彼らがそう喋ることは、彼らの仕事であり、それが本当であるとは限らない。

 

彼らはお金になるからそう喋っているにすぎない。

僕はこんなことを書いてもお金にならないからこそ、

それでも知ってほしいと願うからこそ、本当のことを喋る。

 

まあ、実際に読んで判断してくれればいいさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

それはさておき、地方創生とは、主に3つの要素からできている。

 

A:東京圏への人口流入が続いていること=地方の過疎化が進んでいること

B:地方の産業や雇用などを活性化させて、日本全体を成長させようとすること

C:そのためにあれこれやってみようとすること

 

 

Aが原因で、Bが目的で、Cが手段である。地方創生のABC。

 

ここを明確に区別しておかないと、あとあと理解が難しくなる。

当たり前のようだが、しっかりと把握しておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ではまず、原因であるAから考えていこう。

 

地方創生は東京一極集中を改善するために行われるものだ・・・ということになっているのだが、

実は、そもそも東京一極集中」と呼ばれる現象なんか存在しない

それはあくまでも地方全方位自業自得」を裏返しただけにすぎないからだ。

 

なぜか?

 

 

 

 

 

第一に、その問題点は「東京」ではなく「関東平野」、あるいは「大阪」ではなく「大阪平野」、

同様に「札幌」ではなく「石狩平野」、「名古屋」ではなく「濃尾平野」、などと考えるべきだからだ。

 

日本は国土の7割以上が山岳地帯になっている国であるため、

人が住むのに適した平地が非常に少ない。

そのため、人口密集地(政令指定都市)はほぼ全てが、「数少ない平地」に集中しているのが現実だ。

 

札幌市は石狩平野、

仙台市は仙台平野、

新潟市は越後平野、

東京都区部・横浜市・川崎市・相模原市・さいたま市・千葉市は関東平野、

静岡市は静岡平野、

浜松市は遠州平野、

名古屋市は濃尾平野、

大阪市・堺市・神戸市は大阪平野、

京都市は京都盆地、

岡山市は岡山平野、

広島市は広島平野、

福岡市は福岡平野、

熊本市は熊本平野にあり、

唯一、北九州市だけが「平らな土地」にある政令指定都市ではないとされている。

 

・・・まあ、これは中学受験で出る話なのでね。小学校レベルの知識ですわ。

遠州平野は教わらないかもしらんが、天竜川は習うよな。天竜川の下流域が遠州平野だ。

かくして「平地に人口が集中する」のは、日本全国当たり前どころではないオハナシなわけだ。

 

 

そして大きめの平野を広い順(単位は平方キロメートル)に並べると、

関東平野が17000、石狩平野が4000、十勝平野が3600、越後平野が2100、濃尾平野が1800、大阪平野が1600。

 

また4000+3600+2100+1800+1600=13100なので、

いちばん広い関東平野を除いた広めの平野上位5つを並べても、

関東平野ひとつに追いつかないのが現実だ。

 

ゆえに、圧倒的に広い関東平野に人口や企業が集中するのは、

当たり前どころの話ではないのだ。

 

 

札幌、新潟、名古屋、大阪、神戸の人口(単位は万人)は、

それぞれおよそ200、80、230、270、150なので、合計すると930万人程度であり、

これは東京都区部(いわゆる23区)とほぼ同じ人口であるといえる。

 

そう考えると「東京都区部」は超絶過密であるように思えるだろうが、

「関東平野」の人口密度は、「大阪平野」の人口密度の1/3程度しかない。

つまり都市ごとの合計値ではなく、人口密集地ごとの密度で考えると、東京(関東)は「まだまだ余裕がある」。

 

むしろ愛知県と大阪府は「平野の面積」に対する人口で考えると東京都よりも過密であるため、

「狭いところに一極集中している度合い」でみるなら、東京と関東地方を笑えたもんじゃないわけである。

 

確かに、東京都区部の過密状態はおかしなレベルに達している。

世田谷「区」に90万人も住んでいるのに、山梨「県」には86万人しか住んでいないのだ。

しかし逆にいえば、それだけ過密であっても、そこに住みたがる人がいる、ということでもある。

 

そしてさらに裏返せば、地方にはそれだけ土地に余裕があるはずなのに、誰も地方に住みたがらない、ということだ。

 

 

 

 

 

それが第二の原因

東京が異常な過密状態であると皆知っているはずなのに、

それでも東京に移住したいと望む人が大勢いる、という現実である。

 

そもそも「東京」一極集中、という名前がおかしい。

 

総人口が純粋減に転じた現在の日本において、

それでも人口が増加している=移住者が多い都道府県は、

埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、沖縄県のわずか5つだけである。

 

ここで注目したいのが、東京都だけではなくその周囲の埼玉・千葉・神奈川も人口が増えている、という点である。

つまり一極集中しているのは、「東京」ではなく「関東」なのだ。

沖縄の人口は老後を暖かい場所で、という層が流入したものと思われるが・・・そのへんは長くなるので省こう。

 

人口密集地の代名詞、太平洋ベルトにも含まれる大阪府、愛知県、兵庫県ですら人口が減っているのだから、

「関東地方に集中している」と考えるべきなのか、

それとも「関東地方以外から人が離れている」と考えるべきなのか、まずはそこが問題になる。

 

しかしながら既に述べたように、

東京都およびその周辺の過密状況は考えるまでもなく明らかなのに、

それでもなお人口が流入し増加し続けているのだから、過密に耐えてでも地方にいたくない、と考えるべきであろう。

 

 

東京一極集中はダメだと叫ぶ人たちは、しきりに東京の悪口を言う。

治安が悪い、過密だ、通勤ラッシュだ、満員電車だ、家賃が高い、物価が高い、人間が冷たい、その他。

本当の話もあれば真っ赤なウソも混ざっているので、よくもまあそこまで口汚く罵倒できたもんである。

 

だがしかし、そんな「クソ東京」に、「地方様」から、主に若者が移住しているのが現実なわけです。

 

地方がどれだけ魅力的であるのかは知らないし、

東京がどれだけクソであるのかも知らないけど、

東京がクソ度1000000000000000000000であるとしても、そんなクソ東京のほうが、地方よりもいいと思われている。

 

そうでなくとも、東京や神奈川などの関東地方・首都近郊部は、

別に若者や企業に来てくれとお願いしているわけじゃない。

むしろ若者や企業に来てくれとお願いしているのは、地方創生を目指している地方様なのだ。

 

東京(関東平野)には、頼んでもいないのに人が集まる。

大阪(大阪平野)や名古屋(濃尾平野)は、頼んでいるのに人が来ない。

結果だけを見るなら、そういうことになるはずだ。

 

  な  ぜ  な  の  か  ?

 

クソ東京がいいのか、地方様がよくないのかは知らないが、

「クソ東京のほうが地方様よりもマシだ」と判断された結果なのだから、

その現実・結果を否定してはいけない。

 

 

 

 

 

 

そしてその矛盾点こそが第三の原因にして、

地方創生がうまくいかない最大の理由でもある。

 

 

それはズバリ、

「東京のいいところ」と、

「地方のダメなところ」を無視しているからである。

 

 

 

ここから冒頭で紹介した「地方創生のABC」に関して、Bの目的と、Cの手段が関係してくるわけだ。

 

 

 

たとえば、

東京は人口がとても多いため、全体の1%しか客にならないような「マニアックな商売」がやれる。

地方都市10万人の1%と、東京都1300万人の1%では、客層の総数が比較にならない。

 

だからこそ東京一極集中を解消しろ、地方の人口を増やせ、移住させろ、というなら、

地方の財政を支えている地方交付税・・・の財源である東京都の経済事情が破綻してしまい、

地方も東京も共倒れになってしまう。

 

おまけに、本当に必要とされるテーマで商売をしているのなら、

どれだけ不便で過疎な場所にあっても、客は必ず来るものである。

高級旅館として有名な、石川県は和倉温泉にある加賀屋↓なんて、まさしくその筆頭であろう。

 

 

いっちゃ悪いが、北陸新幹線ができた今でもご覧のとおり、和倉温泉へのアクセスは非常に悪い。

なのに北陸新幹線ができる前からずっと、加賀屋は高級旅館としての地位を確立していたわけだ。

地方にあるからとか、人口が少ないからとか、そんなことは問題になっていないわけである。

 

つまり、東京に人や企業が集まることを言い訳にしている地方様というのは、

ただ単純に、人に好かれるだけの努力をしてこなかった、というだけの話である。

どれだけ東京のせいにしたって、地方が蘇るはずがない。当たり前なことだ。

 

 

しかも日本という国は非常に地理条件が厳しいため、

北海道は寒く、日本海側は世界有数の豪雪地帯で、沖縄・九州地方は噴火と台風だらけ、

2018年だけに限定すれば、西日本はほぼ全域にわたって自然災害だらけであったわけで・・・

 

つまり、そういった要素が比較的少ない「暮らしやすい平地」は、関東平野くらいなものなのだ。

逆に言えば地理や気候の問題で、人が集まるのに適さない地域はゴマンとある。

そのへんの事情を無視して東京(関東平野)の悪口を言って、誰が幸せになるのだろうか?

 

 

おまけに、濃尾平野は「輪中」がある程度には有名な低湿地であり、

大阪平野に至ってはもともと海の底であったため、

首都機能を移転させるには、地盤があまりにも悪すぎる。

 

現在の東京都も、元々埋立地だった城東地区(墨田区・江東区・江戸川区)には、

一貫して首都機能や重要拠点を置かないことを徹底している程度には、

「三大都市圏」としての大阪と名古屋、大阪平野と濃尾平野は、首都機能移転先にはふさわしくないのだ。

 

ではなぜその事実を学校では教えず、ニュースでも報道しないのか?

地盤が悪いという事実を堂々と言ってしまうと、地価が下がってしまうからだ。

東日本大震災のときに浦安市近隣が液状化現象に見舞われたのも、ろくに報道されなかったように。

 

ちなみに大阪城と江戸城(皇居)の立地を古い地図で見てみると、

どちらも昔から陸地だった場所ギリギリに建設されていることがわかる。

昔の人こそ、地震に伴う地盤沈下や液状化といったことをよく理解していたことがうかがえる。

 

参考までに大阪平野の地図を置いておく。

 

 

かくして、関東平野は単純に考えて、「よい」のではなく「マシ」なだけなのである。

 

なぜその地方を創生したかったのかと考える前に、

その地方がなぜ栄えることがなかったのかを考えろ、という話である。

 

 

 

 

 

そして極めつけに(まだあるのかよと思ったか? むしろここがメインディッシュだ、覚悟しろ)、

地方創生なんて、

地方在住者こそが望んでいないからだ。

少なくともやる気が全く感じられない。

 

 

 

それは無数の報告例、あるいは分析結果やデータによって、既に実証されて久しい話でしかない。

 

たとえばほんの一例を出せば、

http://bunshun.jp/articles/-/5069

ここの締めくくりから引用してみよう。

 

 

>多くの地方創生の実態は、地元民にはアイデアもなく、やる気もない。コンサルは小遣い稼ぎのために出鱈目言って、できた後は東京に逃げて知らんぷりを決め込む。役所は中央からカネを引っ張ってきたことだけを自慢して、うまくいかなかったときの言い訳ばかりを考える。

>こんな状態ではどんなに看板を挿げ替えたところで、地方は所詮東京の真似をするだけで衰退の道から逃れることはできないのだ。

 

 

 

・・・これはどこの地域でも有名な話であるが、

実情を理解するには、非常に複雑な政治的背景への確信が要る。

ここでは「大店法と小沢一郎と400兆とイオンモール」といって、ピンとくる人だけがわかってくれればいい。

 

とはいえだいたいの人が、

「東京のマネ」と言われてもわからないだろうが、

青森県なんか、ひどいハコモノ行政(見た目だけ立派で中身が何もない、使い道のないものを作ること)で有名だ。

 

 

こちらから引用してみよう。

https://news.yahoo.co.jp/feature/423

 

 

>危機感を覚えた佐々木氏は市長時代、いち早くコンパクトシティに注目。早くも1999年からその考えをまちづくりに活かしてきた。

>まず、市域を「インナー」「ミッド」「アウター」の3エリアに区分。インナーに商業・行政・居住機能を集め、ミッドには居住・近隣商業機能、アウターには農地・自然を配して宅地開発や大型店の出店を規制する計画を立てた。

>インナーの中心となる青森駅前には、公共投資によってシニア向け分譲マンションやホテルなどが次々と誕生。老朽化した駅前生鮮市場の再生事業として1980年代から計画が進んでいたアウガも、コンパクトシティ化の一端を担う形で185億円をかけて2001年に開業。来館者数は年間600万人を超えるなど活況を呈した。だが、売上げは予想の半分以下に留まった。

>「景気の低迷で開業前にキーテナントが撤退したのは大きな痛手でしたが、他にも要因はある。そもそも当初はアウガ単体ではなく、駅前の複数の再開発プロジェクトと連携して街全体を活性化する計画だったんです」(佐々木氏)

 

 

 

キーテナント(要するに「有名なブランド店」。最悪ユニクロとかマクドナルドとかでもいい)頼みだった時点で、

お前らは何もやらんのかっちゅう話なわけだが、

それ以上にマズいのは、再開発をして便利になれば人が来るはずだという思い込みである。

 

そもそもその理屈でいくと、

今もう既に便利になっている東京・大阪・名古屋あたりへの人口流出は止められない。

しかも「再開発が終わるまで地元に残ってくれていた人」は、「再開発されていなかった頃の生活」を続けようとする。

 

いくら新しい店ができたって、自宅の近くでなければ、いつものスーパーで買い物を済ませるのと同じこと。

 

駅前が寂れたということは、駅前から郊外に人が散っていったということだ。

その時点で、すでに駅前依存型の生活ではなく、郊外依存型の生活になっていたと考えられる。

なのに今更、駅前を便利にしてから周囲に広げていこう、と言われても困る。

 

あまつさえ。

 

 

>除雪が困難になった郊外のお年寄りには街中へ住み替えていただく。そして、お年寄りが移住して空き家になったミッドエリアの住宅には、ファミリー世代の居住を促す

 

 

・・・住むのに不便だから老人に退去してもらいたかったような場所に、

わざわざ家族連れを押し込む理由って、なんだ?

というか、不便だから引っ越してねと宣言したような土地に、なぜ移住者が来ると思ってるんだ?

 

「ファミリー世代(若者)は老人のかわりに不便な場所で住め」ってことじゃないか。

そりゃ若者は地方から都会に逃げるよ。

当たり前じゃないか。

 

 

・・・こんな、少し考えればダメになるに決まってるほどふざけたマネを、

何億円もかけて堂々とやってのけちゃった結果、若者は逃げ出す。

東京のせいじゃなくて、地方のおバカさんのせいで。

 

 

 

たとえば「H&M一号店が銀座にできました!二号店が原宿にできました!」っていうなら、

10号だか20号だか30号だかになって地方まで進出しにきたとしても、

本当にその店に行きたいと思ってる人は、今すぐ新幹線に乗って、東京の一号店二号店まで買いに行くわけだ。

 

今年になって一号店が閉店になったH&Mだが、原宿の二号店のほうは健在である。

しかも原宿には、若者好みで流行に敏感なアパレルショップがひしめきあっている。

どうせ東京に行くなら観光とショッピングを同時に楽しんでこようと、まあ普通なら考える。

 

・・・とすると、同時にたくさんの選択肢を実行できる東京と、

そのテナント・ブランドひとつが出店してきた程度の地方とでは、

魅力が明らかに異なるわけだ。

 

いうまでもないことだが、今更ひとつふたつ便利になったくらいでは、東京の便利さには絶対に勝てない。

原宿駅から歩いていける範囲に、いくつのブランドショップが立ち並んでいると思っているんだろうか?

なのに東京のような街づくりをするなら、じゃあ東京に引っ越せばいいじゃん、となるのがオチである。

 

いかにモダンな雰囲気のショッピングモールを作ったところで、

結局帰る家はいつもの田舎の一軒家であって、

都会っぽさを味わいたいなら都会に行けばいいじゃん、となってしまう。

 

それが、「東京のマネをするだけ」ではダメな理由だ。

 

ずっとここにいたいと思わせることが大切なのであって、

人気のあるものの後追いをするのではダメなのだ。

そして、人間は誰しも切実な理由でもない限り、面倒くさい引越しなんかしたがらないはずなのだ。

 

 

それでも引越しを決意するほど、

この地方にはいたくないと、

そう思えるだけの何かがあった、ということ。

 

 

老人様を優先的に便利な場所に移住させて、

不便だと宣言した土地に若者を移住させましょう計画。

 

そりゃ老人は体力がないから雪かきが無理だとか、バリアフリーなほうがいいとか、アタマじゃ納得いくけどさ。

誰だって、わざわざ住み慣れた土地を離れるんなら、便利な場所に住みたいんだよ。

 

なのに最初っから若者は、中心部か郊外へわざわざ出向かなきゃいけない、中途半端な土地に住めときた。

どちらにも近くて便利な土地? いいや違う。どちらからも遠い不便な土地だ。

 

 

 

こんな、文字だけで考えても想像力で理解できるような話を、誰もしなかったんだぜ?

 

そんな連中が、地方で行政ゴッコをやっているんだぜ?

 

しかもあんのじょう、他にもいろいろあるんだぜ?

 

 

 

地方創生に関連して「地域おこし協力隊」というものがあるのだが、Googleの関連検索には

「地域おこし協力隊 使えない」という、ひどい検索語句が並んでいる。

しかもその検索結果に出てくるものは、まったく正反対の記事ばかりである。

 

いくつか紹介してみよう。

 

 

 

 

地域おこし協力隊に思うこと。

https://medium.com/@koyajunji/%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E3%81%8A%E3%81%93%E3%81%97%E5%8D%94%E5%8A%9B%E9%9A%8A%E3%81%AB%E6%80%9D%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8-3eedc68769a0

 

>これでは地域が自立する日は残念ながら来るまい(いや、本当に自立したいのか。ただ中央の金使って「リトルトーキョー」を作りたいだけなのかと揶揄したくもなる)

 

 

 

 

 

地域おこし協力隊の「失敗の本質」に共感しすぎてやばい!協力隊応募者必読!

https://takahirosuzuki.com/2015/0124112803

 

>まさか「地域おこし協力隊」として協力者を募集している行政が、「私たちのルールはこうなってますから、それはやめてください」って足を引っ張るなんて、入ってみるまでなかなか想像できない。

 

 

 

 

私が地域おこし協力隊を辞めた理由

http://umebosi.jp/2017/03/23/20170331/

 

 

 

 

地域おこし協力隊の闇

https://hbol.jp/112174

 

>プランを面白がってくれたのはいいですが、その後何か月経っても何も話が進まない。僕は結局11か月で辞めましたが、辞める頃になってその話が市役所の計画に取り込まれていたのを知りました。最初から協力隊にはやらせるつもりはなかったんだと悟りました。都会の人にアイデアだけ出させて取り上げるつもりだったんですよ。結局、彼らは地元の人以外には何もやらせたくないんです。余所者を信用していないというより、身内だけでやって担当者が役場の中で点数を稼ぎたいだけ

 

何かを試作するのにその費用は自分持ち。国から助成金が出ているのにも関わらず、そのお金は地域おこし協力隊の特産品開発には使わせないんです。結局、地元の婦人会のご好意がなければ何も進まない状態でした。結局、自分の思うような試作品を作れないので婦人会のいうままに新商品を開発しましたが、都会から人を呼んでも地元の意見しか通らないなら意味がないですよね

 

>田舎になんか引っ越すもんじゃありません。余所者は都会では想像もできないような理不尽な目にあいますよ。少なくとも親戚や妻の身内が住んでいるとか血縁がある場所でないと地元の人は人間として扱ってくれません

 

 

 

 

 

・・・もうおわかりだろう?

 

地方創生がうまくいかない理由なんか、

俺たちの伝統的(笑)な生活を邪魔せず、俺たちに絶対服従しつつ、うまくいった成果だけをよこせ、

最悪それがうまくいかなくても国から補助金が出るから、役所の身内はそれでメシが食える、ってハナシなのである。

 

国から補助金が出ている限り、地方の役所とその身内には、最低限度のお金が入る。

だから地域なんかおこらなくていいし、下手に挑戦して失敗して責められるくらいなら、

何もせず補助金だけ吸い上げているほうが確実で楽なのだ。

 

 

 

つまり、地方創生を本当に実現させたいなら、

地方創生のための予算なんかビタ一文割かずに、

若者に逃げられないような政策を自力でやってのけろ、という話。

 

東京のせいにせず、若者のせいにせず、どうやったら、自分たちの利益だけではなく、

移住してきた人や、これから地域に住んで未来を担う若者たちが喜んでくれるのかを考えて、

彼らに権限や予算を譲る覚悟はあるのか?

 

 

あるはずがない。だから地方は死んだまま。

 

 

目的は建前にすぎず、補助金が欲しいだけだから、手段なんか目的以上にどうだっていい。

だから原因になんか絶対に向き合わない。

 

 

東京一極集中ではなく、地方全方位自業自得。

 

男、若者、東京をどれだけ叩いたところで、

女、老人、地方だけで、何がどれだけできるのか?

 

つまりはそういう話である。

犯罪率で1位をひた走る大阪の話題が出ず、なぜか東京が危険だとばかり連呼されるのと同じこと。

 

 

そのウソを流して得する奴がいる。


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